FM那覇 アイ・ネット・ラジオ  2022年6月18日放送分から

イムゲー協議会の多良川の砂川専務、請福酒造の漢那社長出演の1時間の動画と要約文を4つ

​生活と環境の変化と泡盛の変化って3/4

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ライフスタイル・シチュエーションの変化に

よる泡盛の変化

【漢那】いやもうこれはほんと明確な答えは誰にもないんですけど、もうずーっと砂川専務と一緒に考えながらいろいろやってはきたんで。やっぱりライフスタイルが随分変わったなってのが一番明確だと思います。なんでかっていったら実際僕らが一番泡盛飲んでた時代っていうのは結構不特定多数で毎日宴会してたんですね、大きな居酒屋で。みんなでピッチャーで割って乾杯してそれが5時間も6時間も飲んでたってのがありますけどそういう飲み方が一番泡盛って美味しいんですよ。ただ今は少人数でいろんなお酒を飲むっていうのが出てくると、じゃあ泡盛もグラスで飲みますってなったらやはりそこのなかで少量だけ飲むってなるとなかなか厳しいものがあるんですね。ワインとか日本酒とか味がはっきりしてますしそういう意味でいったらやっぱり今の時代にはちょっと合ってないのかもしれないなってのは正直感じるところはありますね。ただそれが泡盛が美味しくないってわけじゃないんですよただシチュエーションが合ってないし、それでも泡盛が飲まれる需要ってのは実際ありますからやはり僕らもいろんな飲むシチュエーションに対応していく必要があるだろうなって思ってます。ただもう当分の間は昔みたいな飲み方がされる時代ではないので。それがじゃあみんな今、じゃあ集団で飲みますかってなった時に多分この社会的な雰囲気がないんじゃないですか。ただこれがまたすごく景気が良くなってバブルが来てとかなったらもしかしたらそういうのがまた出てくるかもしれないですけどね。

 ―― 特に今回コロナという一つのシチュエーションがありましたけれども飲食店さんを一つの例に例えてもいろんな変化をもたらしているんですね。来場自体の人数制限をまずかけます、いらっしゃる世代年齢層自体も前と今ではもう大きく様変わりしているという店舗さんもありますし、となってくると情報の入り方と選択の仕方というものが世代ごとにもものすごくいろんな拡がりをちょっとみせているというイメージもちょっとあって、しかも今の焼酎の例あったじゃないですか店舗数、確かにいわれてみるとこの10年振り返るとすごく取り扱いが実際増えたなあという印象もあるんですよ

 

【砂川】昔は飲み放題って種類めっちゃ少なかったですよね。ビール一つと居酒屋さんがおしてる泡盛と。今はもう飲み放題で酒類メニュー全部じゃないのってぐらいあるじゃないですか、あれがすごい多様性だなと。店員さんが大変ですよね。4人来たらみんな違う。大変だな店員さんって思いながら見てますけど。多様性ですよねそれは良い意味で。

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 ―― 泡盛、先ほど43度の古酒系と30度としての市場性の高いものというところがありますが、販売する側の目線からいうと古酒の売り方と市場性の高いものの売り方ともちろんアプローチが違うと思うんですが、ある種、力のかけ方って漢那さんちょっと変わったりはするんですか?

 

【漢那】元々、古酒を売る場所ってのが本当に基本お土産品とかですね、あとは県外出荷ってのがやっぱり非常に多い、ほとんどそこに行きますね。 これはどこの地域でも一緒なんですけど、地元で高いお酒っていうほど売れないんですよ、なぜかっていったら地元の酒ってのは日常の酒なので日常からこういう高いものを飲みますかっていったらそれ日本酒の世界でもないんですよ。日本酒の酒どころに行くと普通酒をみなさん飲んでたりする。みんなが普段から純米大吟醸を飲みますかっていったらそんなことはありえないんですよ、どうしてもお値段高いですから。だから泡盛に関しても僕はもう結局地元重視で経営してきたので一般酒っていわれているもの、古酒じゃないものにほとんどの労力をかけてますね。

【砂川】日本酒の例が一番、漢那さんがおっしゃったようにわかりやすいですよね。 古酒じゃない一般酒が地元じゃやっぱり飲まれたりしますもんね。古酒の売り方っていうのを考えると県外のお客様に販売していくか、贈答品として使っていただくか、もしくは花街というんですかねスナックとかクラブとかである程度の年数表示がされているものを販売していく、古酒の量が少ないので今まではそれで十分だったとは思うんです。一般酒が主力だというのは泡盛メーカーの基本的なスタンスなんですね。ここまで突っ込んでいいかどうかはあれなんですけど、泡盛の一般酒がドンドンドンドン取って変わられて違うお酒になってきてるっていうのがこの泡盛業界の苦境のひとつになってるとは思いますね。全体的な需要量が減っていくと古酒の需要量ももちろん減っていくので、思い出されなくなってくる。そうすると全体的なシェアが少なくなっていくっていうところになってきますね。

そうすると、全体量が減っていく、お酒を作って泡盛の古酒にするまでに最低でも3年ってなると、3年間現金化できないっていうことと同義な話になるのでキャッシュフローがすごい弱いんですね。じゃあ3年後にちゃんと古酒として売れますかっていうと先ほどいってたみたいにその時代背景がドンドンドンドン縮小していくと3年前に作ったはずだったんだけど今度はそれも今までの金額では売れない。じゃあどうしましょうか?安くしますか?っていうのがデフレスパイラルの例ですよね。

 

 ―― 一つ例として3年という期間提示がありましたが、この古酒のカテゴリーでいくと3年以外にもメーカーさん独自の戦略としては複数年年数ターゲットにしているパターンというのもあるかと思うのですが

 

【砂川】その年数を試飲して、この年数だったらおいしいとか、このターゲット層に合ってるなあと思って各泡盛メーカーさん出されると思うんですけどね。長い蔵でしたら何年かやってたら8年目のうちの酒はこういう味だなっていうのはわかってくるのでいいんですけど、じゃあ新たな作り方をした泡盛を8年後にこの金額で売りましょうターゲット層はこれだけですって決めてやれますかっていったら預言者じゃないと無理ですよね。なのでブレンディング、いろんな年数のものを足すっていうのがすごい大事になってくるんですね。ブレンダーの技術っていうのがすごい大事になってくる。

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 ―― ウイスキーってノンビンテージって呼ばれる複数年の年代物がブレンディングされて一つのボトルとして入ると、あれと同じようなイメージですよね

 

【漢那】全く一緒です。ウイスキーもこれだけウイスキーブームになっても大手のメーカーってのはなかなか増産しないですよね。みんな狙って10年とか置けないんですよ実際は。だからいろんなものを作ってブレンドして出すっていうのが基本スタイルですし、焦った商売にしないのが昔からやってきている大手のウイスキーメーカーのスタンスなんですよ。だからブームになっても頑なになかなか増やそうとしない。普通の産業だったらたくさんお金かけて一気に10倍とかってやりますけど、まずしない、いいものを作ろうと思ったら手間かかるし、リスクをなかなかメーカーだけでは受け止めきれないのでじわりじわり需要を増やしていくしかないんですよ。